【PDFワークシート付き】あなたが中国語を学ぶ目的と目標は何ですか?

中国語を学習するにあたり、まず最初にはっきりさせるべきことが2点あります。
- なぜ中国語を学ぶのか?(目的)
- どのレベルまで習得したいか?(最終目標[ゴール地点])
「目的」と「目標」を分けて考えることで、より自分が目指すゴールが明確になり、途中で挫けそうになったときでも、モチベーション維持の役に立ちます。
「目的」を明確にしましょう!

「あなたは何のために中国語を勉強するのですか?」
「中国語学習の根本的な理由は何ですか?」
自分の「なぜ」を深堀りしてみてください。
- 中国や台湾に友達がいるので、中国語で話したい!
- 仕事で中国や台湾と取引があるので、中国語で直接やり取りしたい!
- 将来中国に住んでみたい!中国で働きたい!
- 留学に行くためにHSK○級を取得しないといけない!
- 中華ドラマが好きなので、字幕なしで楽しみたい!
- 中国の歴史や文化が好きなので、中国語も学びたい!
- 中国の芸能人に推しがいるので、中国語を理解したい!
人によって、理由はそれぞれだと思いますし、目的によって力を入れるポイントが違ってきます。例えば、中華ドラマを楽しむことが目的なら、自ら喋れるようになる必要はないので、作文や会話の練習は必要なく、リスニング力を高めることを優先すべきでしょう。
仮に、中国語の書籍を日本語に翻訳するのが目的であれば、リスニングやスピーキングを鍛える必要は全くありません。
また、検定試験に合格するためには、検定試験に特化した学習が必要になります。
少し極端な例ではありますが、自分が何のために中国語を勉強したいのか、「目的」をはっきりさせることで、どうやって勉強するかが違ってくることを理解していただけたのではないでしょうか。
「目標」を設定しましょう!
なぜ中国語を学ぶのか、目的をはっきりさせた後は、目標を決めましょう!
まず最終目標(ゴール地点)を決めましょう!
中国語学習における最終目標(ゴール地点)を決めることも重要です。
なぜなら、語学学習は上を目指せばいくらでも上があるからです。
多くの人がネイティブと全く同じレベルになろうとは思っていないでしょうし、それは無理があります。日常会話に困らず、友達と深い話ができたり、仕事で商談ができたり、パートナーと笑いあってコミュニケーションができれば十分だと考える人が大多数だと思います。

「あなたはどのレベルまで中国語を習得したいですか?」
- 中国に旅行に行って困らないレベル
- 中国人や台湾人の友達と30分、中国語だけで世間話ができる
- HSK6級を取りたい!
- 中国出張に行って、一人で商談できるレベル
- 中国のドラマが字幕無しで楽しめるレベル
- 通訳ができるレベル
自分が最終的にどこまでのレベルを求めているのか改めて考えてみましょう!
「CEFR」の目標も決めましょう!

こちらの画像の左の方にある「CEFR(A1〜C2)」という指標を参考にレベル分けしていきます。
「CEFR」とは?
CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)とは、ヨーロッパ言語共通参照枠と訳される、外国語の運用能力を測るための国際的な指標です。
ヨーロッパの言語教育を標準化するために開発されましたが、現在では英語、フランス語、ドイツ語だけでなく、日本語や中国語など世界中の言語学習に応用されています。
● C2(熟達):ネイティブに遜色ないレベル
【何ができる?】
- どんな状況でも適切な言葉を選び、流暢に使える。
- 専門的な内容や文学的な文章も完全に理解できる。
- ネイティブスピーカーと同等に話し、書き、議論が可能。
【具体例】
- 仕事: 交渉、契約書の作成、学術会議での発表ができる。
- 学術: 学術書や文学作品を読んで批評を加えることができる。
- 文化: 方言やユーモア、文化特有のニュアンスを理解し、自然に会話に溶け込める。
【制限】
- ほぼなし(場合によっては、特定の地域の方言や特殊な専門用語が難しい場合がある)。
● C1(上級):高度なレベル
【何ができる?】
- 流暢で的確な表現ができ、議論や交渉も問題なくこなせる。
- 難解な新聞や専門書を読み、深く理解できる。
- ネイティブスピーカーとの会話でも言葉を探すことなく自然に話せる。
【具体例】
- 仕事: チームをリードし、問題解決のための議論ができる。
- 学術: 長い論文を読んで要点をまとめることができる。
- 日常: ユーモアや文化的なニュアンスも理解して、深い交流が楽しめる。
【制限】
- 文学的な比喩や抽象的な詩など、一部理解が難しい場合も。
● B2(中上級):独立して使えるレベル
【何ができる?】
- 幅広いトピックについて自然に会話ができる。
- 専門的な話題や抽象的な内容についても説明や意見を述べられる。
- 映画やテレビ番組の内容を大まかに理解できる。
【具体例】
- 仕事: プレゼンテーションでアイデアを説明できる。
- 学術: 学校でディスカッションに参加できる。
- 旅行: 現地の人と友達になり、自由に会話を楽しめる。
【制限】
- 非常に高度な専門用語や速い会話には対応が難しい場合もある。
● B1(中級):実用的なレベル
【何ができる?】
- 日常生活や旅行で困らない程度に意思疎通が可能。
- 簡単な意見を述べたり、自分の体験を説明できる。
- 短い新聞記事や簡単な小説を読んで大意をつかむことができる。
【具体例】
- 旅行: 旅行先でトラブルに対処できる。
- 職場: ミーティングで基本的な意見を言える。
- 友人関係: 趣味や日常生活について会話を楽しめる。
【制限】
- 速い話や専門的なトピックはまだ難しい。
● A2(初中級):基礎を理解しているレベル
【何ができる?】
- よく使われる表現を聞き取って、簡単な会話が可能。
- 身近なトピックについて話せる。
- 基本的な文章を読んで理解できる。
【具体例】
- 旅行: 簡単な道案内ができる。
- レストラン: 注文ができる。
- 職場: 同僚との軽い雑談ができる。
【制限】
- 深い議論や抽象的なトピックには対応できない。
● A1(初級):初心者レベル
【何ができる?】
- 自己紹介ができる(名前、年齢、出身地など)。
- 短く簡単な質問や答えができる。
- 基本的な単語やフレーズを聞き取れる。
【具体例】
- 旅行: ホテルで「部屋はありますか?」と聞ける。
- 買い物: 値段を聞き、理解する。
【制限】
- 複雑な文法や文章、速い話し方には対応できない。
次に「短期目標」も決めましょう!
最終目標(長期目標)を決めるだけでは、あまりに遠く感じて途中で挫折することがあります。
山頂までに、3合目、5合目、8合目と登っていくように、途中の「短期目標」も設定してみましょう。
- テキストの長文がスラスラ音読できるようになって、ネイティブ講師から「発音上手!」と褒められる。
- 台湾旅行に行って買い物ができるようになる。
- HSK3級のサンプル問題で8割正解する。
「最終目標」「短期目標」それぞれ期限を設けましょう!
目標を決めても、期限を決めないとダラダラしてしまいがちなので、はじめに期限を決めておくとよいでしょう。実現不可能な期限ではなく、自分にストレスを与えないようにある程度余裕をもった期限設定をオススメします。
数字を用いた目標だと分かりやすいです。
- 1年後(〇〇年〇月〇日)までに、HSK4級に合格する!
- 2年後(〇〇年〇月〇日)までに、ネイティブと30分中国語だけでオンラインで会話できるようになる!
決めた目標がワクワクできるものか確認しましょう!
これまで決めた目標を実際にイメージしたときに、ワクワクできるか振り返ってみてください。
たいていの人は、よほどの強制力が働いていない限り、ワクワクしないことを継続するのは非常に難しいです。ワクワクする目標に向かって、日々楽しく勉強できるかどうかが重要です。
実際に紙に書いてみましょう!

【特典】目的&目標ワークシート(PDF)
ワークシートを作りましたので、是非ダウンロードして実際に書き込んでみてください。
紙に印刷するもよし、iPadなどでノートアプリに取り込むもよし、自分の好きなスタイルで書き込んで、書けたらいつでも見れる場所に貼ったり、データ保存しておきましょう。
最低1週間に1回、あるいはモチベーションが下がったと感じる時に見てください。
また、目的や目標は変わることもあります。もし変わった場合は、是非書き直してください。

目的や目標を常に頭に置いて、日々の中国語学習に取り組みましょう!